新世紀エヴァンゲリオン オープニングテーマ「残酷な天使のテーゼ」 【解説】
オープニングテーマ「残酷な天使のテーゼ」
TV版「新世紀エヴァンゲリオン」のオープニングテーマ「残酷な天使のテーゼ」の解説です。
- オープニングテーマ「残酷な天使のテーゼ」
- 作詞 : 及川 眠子
- 作曲 : 佐藤 英敏
- 編曲 : 大森 俊之
- 歌 : 高橋 洋子
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- 青い光の円が広がる
- 12枚の羽と多くの目を持つ者の絵
- 生命の樹(倒立した樹)
- 揺らめく青い光
- 「新世紀エヴァンゲリオン」のタイトル
暗い空間に青い中心点が現れ、そこから青い光の円が広がります。これを無限空間に無限光が凝集して起こったケテル(点)とそこからの流出として(即ち、世界の始まりとして)捉える事も出来なくは無いと思います。
宇宙ような画面に切り替わり、それを背景に12枚の羽と多くの目を持つ者の絵が画面に現れます。ここでの宇宙は赤色に染まっています。
歌詞の「残酷な天使のように...」の「天使のように」の部分で現れ消えて行く事からすると「(何らかの)天使」を表した絵なのかも知れません。
絵での姿とは別に言葉上で「12枚の羽を持ち、全身に多くの目を持つ者」と言えばサマエルが思い起こされますが、ここでの絵がそのサマエルであると言う可能性も無いとは言えないのでは無いかと思います。サマエルはサタンであるともされ、リリスの伴侶(サタン=サマエル)であるともされます。
ここで見られるサマエル(呼び名が無いと扱い難いので勝手にサマエルと呼ぶ事にしますが...)の顔は第3使徒サキエルの二つ目の顔に似ています。「ヱヴァンゲリヲン新劇場版 : 序」を見るとターミナルドグマ内で第2使徒リリスと呼ばれている者にも同じような顔(仮面)があります。
サマエルが姿を消した後、奥(画面中央)から手前(画面隅)へと小さな光の粒が流れる青色の背景(宇宙にも海中にも見える)に生命の樹(倒立した樹)の図が重なって現れます。現れた生命の樹の図は上から下へと流れて消えて行きます。
ここでの生命の樹の図は倒立した樹、天に根を持ち地上へと伸びる樹の図になっていました。カバラを学べば極初期に出会う有名な図です。
生命の樹の図が消えると同時に揺らめく青い光が現れます。
この(無限空間の星々の中で)揺らめく青い光が具体的に何を表現しているものなのか...人の魂か、自己か、霊か、神か...それを判断するのは(定義も含めると余計に)難しいように思います。揺らめく青い炎と表現すると言葉上ではヌイト的に聞こえますが...。
揺らめく青い光が消えた後、「新世紀エヴァンゲリオン」のタイトルが表示されます。
青空と碇シンジ
- 青空の下の碇シンジ
- 惣流・アスカ・ラングレーと綾波レイのシルエット
- 微笑む碇シンジ
青空を背景に碇シンジ(顔)が現れます。正面向きで現れた碇シンジは向かって左へとを向きを変えて行きます。向きを変えて行く中で画面右側には碇シンジの立ち姿のシルエットが現れます。
ここでの碇シンジは(青空の下で)穏やかな風に吹かれているようです。歌詞の「青い風が今、胸のドアを叩いても...」の部分である事から青い風に吹かれている(胸のドアを叩かれている)のかも知れません。
碇シンジが向かって左へと向きを変えた後、碇シンジの立ち姿のシルエットが消え、画面の左上から下へと向かって惣流・アスカ・ラングレーのシルエットが、右下から上へと向かって綾波レイのシルエットが流れて行きます。
惣流・アスカ・ラングレーと綾波レイが流れて消えた後、碇シンジは微笑みを見せます。歌詞の「微笑んでいるあなた」の終わりの部分と重なっています。
碇シンジ/葛城ミサト/綾波レイ
- 葛城ミサトの手のシルエット
- 「生命の樹」の図(「エジプトのオイディプス」より)
- 上半身を起こす葛城ミサトのシルエット
- 膝を抱える葛城ミサト
- 窓の向こうの綾波レイ
- 綾波レイの目
青色の空が黄色に変わり、葛城ミサトのものと思われる手のシルエットが現れます。手は祝福を示すように握られ、そこに生命の樹の図が重なります。
この生命の樹の図はキルヒャーの「エジプトのオイディプス」からの図であり、これもカバラを学び始めれば極初期に見掛ける図です。姫も英語に直されたものを資料として持っています。生命の樹の概念図の中では説明的な書き込みが多い方です。
この概念図は物語の中では碇ゲンドウの執務室の天上にも描かれています。また、新世紀エヴァンゲリオン劇場版「Air/まごころを、君に」の「まごころを、君に」編の中ではエヴァシリーズのアンチATフィールドの展開時にジオフロント上空に出現しています。
生命の樹の図が消えた後、葛城ミサトの顔を背景に葛城ミサトのシルエットが上半身を起こして行きます。葛城ミサトの顔と葛城ミサトのシルエットの動きは連動しているようです。
碇シンジの顔を背景に膝を抱えて顔を伏せている葛城ミサトのシルエットが現れ、顔を上げます。
碇シンジの顔を背景に窓(十字)の向こうにいる綾波レイが現れます。綾波レイは少し悲しそうにも見える表情で窓の外を眺めていて、窓の内に捉われているようにも見えます。
窓の向こうの綾波レイをそのままに、背景の碇シンジが消えて綾波レイの赤い瞳に変わります。歌詞の「...いたいけな瞳」の辺り(「いけ」の部分)と重なっています。
エヴァンゲリオン初号機 1
- エントリープラグ挿入
- エヴァンゲリオン初号機のシート前部
- 内部電源スタート
- 操縦レバーを押す碇シンジの手
- 起動シーケンス(ボーダーライン突破)
- 操縦席の碇シンジ
- 顔を上げながらゆっくりと目を開ける碇シンジ
- 上半身を起こすエヴァンゲリオン初号機
- 碇ゲンドウ
- 葛城ミサト
- 赤木リツコ
- 綾波レイ
- 12枚の羽を広げるエヴァンゲリオン初号機
エントリープラグの挿入場面、エヴァンゲリオン初号機の操縦席の前部、内部電源のスタート、操縦レバーを押す碇シンジの手、起動シーケンスでのボーダーラインの突破...と素早く画面が切り替わって行きます。
エントリープラグ内の操縦席に座っている碇シンジが顔を上げながらゆっくりと目を開けます。
エヴァンゲリオン初号機が上半身を起こします。
碇ゲンドウ、葛城ミサト、赤木リツコ、綾波レイと切り替わって行きます。
エヴァンゲリオン初号機が12枚の光の羽を広げます。光の羽が出現するのは歌詞の「...遥か未来目指すための羽がある事」の「羽がある事」の部分と重なっています。
TV版「新世紀エヴァンゲリオン」内ではエヴァンゲリオン初号機が12枚の光の羽を広げる場面はありませんが、新世紀エヴァンゲリオン劇場版「Air/まごころを、君に」の「まごころを、君に」編ではその姿を見る事が出来ます。12枚の羽を持った者としてはルシファー(サタンともされる)が思い起こされます。
エヴァンゲリオン初号機 2
- 開くエヴァンゲリオン初号機の口
- 振り上げられるエヴァンゲリオン初号機の右手
- エヴァンゲリオン初号機の顔と光る目
- 血の付いたエヴァンゲリオン初号機の左手
- TEST TYPE(黒背景に白い文字)
- 血の付いたエヴァンゲリオン初号機の足
- EVA-01(黒背景に白い文字)
- 画面右向きから左向きへと移るエヴァンゲリオン初号機
エヴァンゲリオンの開く口、振り上げられる右手、顔と光る目、血の付いた左手、「TEST TYPE」の文字、血の付いたエヴァンゲリオン初号機の足、「EVA-01」の文字...と緩急を付けながら素早く画面が切り替わって行った後、画面右向きから左向きへと向きを移す(構図が変化しているだけのようにも見えます)エヴァンゲリオン初号機の上半身が映ります。
途中に出現する「TEST TYPE」、「EVA-01」の文字は共にエヴァンゲリオン初号機を指す言葉です。
ここは「エヴァンゲリオン初号機」で纏められているようです。
使徒
- 第3使徒サキエルの二つ目の顔のような顔
- 炎の中を歩くエヴァンゲリオン初号機
- コア
- ABSOLUTE TERROR FIELD(黒背景に白い文字)
- 渚カヲル(線描)
- 月を背に立つ綾波レイ
- ANGELS(黒背景に白い文字)
第3使徒サキエルの二つ目の顔のような顔、炎の中を歩くエヴァンゲリオン初号機、コアと思しき赤い球体、「ABSOLUTE TERROR FIELD」の文字、渚カヲル、月を背に立つ綾波レイ、「ANGELS」の文字...と、ここも緩急を付けながら素早く画面が切り替わって行きます。
第3使徒サキエルの二つ目の顔のような顔はこのオープニングの最初に現れた12枚の羽を持つ者の顔にも似ています。
炎の中を歩くエヴァンゲリオン初号機は第3使徒サキエル戦の後の姿のように見えます。
赤い球体は使徒の持つコア(コアを持つのは使徒だけではありませんが)のように見えます。
「ABSOLUTE TERROR FIELD」は使徒の持つ(使徒以外も持っていますが)防壁の事です。物語の中では簡略されATフィールドと呼ばれています。
渚カヲルは赤い背景に黒い線だけで描かれています。
渚カヲルが本編で登場するのは第弐拾四話「最後のシ者」であり、それまでは(オープニングに姿はあれど)謎の人物でした。
月を背に立つ綾波レイは(ポーズは異なりますが)第六話「決戦、第3新東京市」でも見せた綾波レイを象徴すると言っても良い場面です。
「ANGELS」は「使徒」の英語での呼び名です。
ここは歌詞では「残酷な天使のテーゼ...」の部分と重なりますし、「使徒(=ANGEL)」で纏める事が出来そうだったので、少し無理があるかも知れませんが、そうしました。
第3新東京市と特務機関ネルフ
- 夕焼けの第3新東京市
- TOKYO-3(黒背景に白い文字)
- ジオフロント内のネルフ本部施設全景
- NERVエンブレム
- 冬月コウゾウ
- 第3新東京市周辺の地図
- 日向マコト
- 青葉シゲル
- 伊吹マヤ
- ネルフ発令所
- 加持リョウジ
- 赤木リツコ
夕焼けの第3新東京市、「TOKYO-3」の文字、ネルフ本部施設全景、NERVエンブレム、冬月コウゾウ、第3新東京市周辺(箱根周辺)の地図、日向マコト、青葉シゲル、伊吹マヤ、ネルフ発令所、加持リョウジ、赤木リツコ...と、緩急を付けながら素早く画面が切り替わって行きます。
ここは特務機関ネルフに関連する情報(第3新東京市、ネルフ施設、ネルフエンブレム、ネルフ職員...)で纏められているように思います。
ゼーレと人類補完計画
- ゼーレのエンブレム
- 碇ゲンドウ
- キール・ローレンツ
- 人類補完計画第17次中間報告
- 若い頃の碇ゲンドウ(六分儀ゲンドウ)(線描)
- アダムの幼態
- 笑みを浮かべる碇ゲンドウの口元
ゼーレのエンブレム(下向きの三角形に七つの目)、碇ゲンドウ、キール・ローレンツ、人類補完計画の報告書、若い頃の碇ゲンドウ(六分儀ゲンドウ)、アダムの幼態、笑みを浮かべる碇ゲンドウの口元...と、緩急を付けながら素早く画面が切り替わって行きます。
ゼーレのエンブレムは下向きの三角形に七つの目が描かれたものになっています。
七つの目ではキリスト(七つの目を持つ子羊)が思い起こされます。キリストは第二のアダムであり、天上と地上とを、神と人とを和解させる者です。
下向きの三角形は四第元素の「地」や、天と地の「地」を象徴するものとしても用いられます。七つの目と合わせて受肉した神を表しているのかも知れません。
この下向きの三角形は中間に1本の縦線が入れられ左右が分断されていますが、これが意味するところは不明です。三つの頂点と四つの線で(キリストの数でもある)7を作ったとも考えられます(※)。
エンブレムの線の内側は左から右へと7色のグラデーションになっています。ここにも(キリストの数でもある)7と言う数字が見られます(※)。意図的にを組み込まれた7かどうかは分かりませんが。
(※この辺りは解釈者(姫)が「7」を使って纏めたかったがためのこじ付けになっています...。何か良さそうなものが浮かんで来ると妥当性を無視してでもそれに合わせた結果を作ろうとするのは自分の快楽しか考えていない解釈者(姫)の悪い癖です。ここでは7と言う数字が「何か良さそうなもの」であり、7と言う数字を無理に探し出してでもそれに結び付けて纏めようとしている解釈者(姫)の悲しい姿が見られます...。こう言った面はここだけに留まらず、この記事内、更にはサイト全体にも頻繁に見られるものですが...。あやちゃんには「気の毒な娘...」と同情されています。)
ゼーレのエンブレム(下向きの三角形に七つの目)は物語の中ではアダム(アダムと偽っていたリリス)の顔にも見られます。また、ヱヴァンゲリヲン新劇場版「序」での月の巨人の顔にも同様のものが見られます。
ターミナルドグマでアダムと呼ばれていた巨人は実際にはリリスでしたが、そこに見られた...十字架への張り付け、突き立てられた槍、七つの目を持つ仮面...からはどれもアダムが連想されます。これらにはリリスをアダムと偽るための目的も少なからず含まれていたのでは無いかと思われます。
「人類補完計画第17次中間報告」は第弐話「見知らぬ、天井」で同じものが確認出来ます。
若い頃の碇ゲンドウは青い背景に黒い線だけで描かれています。
アダムの幼態は第八話「アスカ、来日」で登場します。
アダムの幼態は人類補完計画の「要」とされている(当初、その「要」とされていた)ものです(※)。
(※このアダムの幼態は、本編では碇ゲンドウの右手に宿され(それが言明されている場面はありませんが、「ビデオフォーマット版」の第24話「最後のシ者」や新世紀エヴァンゲリオン劇場版「シト新生 DEATH & REBIRTH」でそれを表したカットが確認出来ます)、新世紀エヴァンゲリオン劇場版「Air/まごころを、君に」の中で碇ゲンドウによってアダムとリリスとの融合のために使われようとしていました。一方、ゼーレの人類補完計画では(最初からか如何かは分かりませんが、最終的には)全く必要としないものとなっていました(※※)。はっきりと言える範囲で言えば...碇ゲンドウのシナリオによる人類補完計画(結局は起こらずに終わりましたが)にとっては確かに「要」となるものであり、ゼーレのシナリオによる人類補完計画にとっては必ずしも「要」となるものでは無い、「無くても何とかなるもの」であると言えます。)
(※※ゼーレが起こした人類補完の過程で巨大化リリスから渚カヲルが別れ出た現象が、綾波レイがアダムの幼態をリリスに持ち込んだ事で起こり得たものであるならば、ゼーレの意図しないところで役に立っていた事にはなりますが...。)
ここはゼーレと人類補完計画に関連する情報で纏められているように思います。
エヴァンゲリオン零号機/エヴァンゲリオン弐号機
- エヴァンゲリオン零号機
- PROTOTYPE EVA-00(黒背景に白い文字)
- エヴァンゲリオン弐号機
- PRODUCTION MODEL EVA-02(黒背景に白い文字)
- エントリープラグ内の綾波レイ
- エントリープラグ内の惣流・アスカ・ラングレー
エヴァンゲリオン零号機、「PROTOTYPE EVA-00」の文字、エヴァンゲリオン弐号機、「PRODUCTION MODEL EVA-02」の文字、エントリープラグ内の綾波レイ、エントリープラグ内の惣流・アスカ・ラングレー...と、緩急を付けながら素早く画面が切り替わって行きます。
エヴァンゲリオン零号機の後に映る「PROTOTYPE EVA-00」の文字はエヴァンゲリオン零号機、エヴァンゲリオン弐号機の後に映る「PRODUCTION MODEL EVA-02」の文字はエヴァンゲリオン弐号機を指す言葉であり、その後の綾波レイはエヴァンゲリオン零号機の専属パイロット、惣流・アスカ・ラングレーはエヴァンゲリオン弐号機の専属パイロットです。ここはエヴァンゲリオン零号機とエヴァンゲリオン弐号機に関連する情報で纏められているように思います。
友達と学校
- 鈴原トウジ
- 相田ケンスケ
- 洞木ヒカリ
- 爆発によって吹き飛ぶ学校校舎
鈴原トウジ、相田ケンスケ、洞木ヒカリと切り替わって行った後、学校の屋上が映り、その学校校舎が(恐らく、戦闘による)爆発によって吹き飛びます。
ここは学校と学校の友人で纏められているように思います。
エヴァンゲリオン初号機 3
- パレットガンを撃つエヴァンゲリオン初号機
- 爆発を背に回転しながら手前へと飛んで来るエヴァンゲリオン初号機
短い場面です。エヴァンゲリオン初号機の戦闘場面で繫がっています。
パレットガンを撃つエヴァンゲリオン初号機の姿は第参話「鳴らない、電話」で見られたインダクションモードによる戦闘シミュレーション時の姿と重なります。
父と子
- 厳しい表情の碇ゲンドウ
- 父親に捨てられ泣いている幼い頃の碇シンジ
- 裸の上半身の胸を両手で覆う葛城ミサト(画面右端を下にして立っている)
- 葛城ミサトの胸にある十字架
碇ゲンドウ、父親に捨てられ泣いている幼い頃の碇シンジ、裸の上半身の胸を両手で覆う葛城ミサト、葛城ミサトの胸にある十字架...と、素早く画面が切り替わって行きます。
厳しい表情の碇ゲンドウが映った後に父親(碇ゲンドウ)に捨てられ泣いている幼い頃の碇シンジの姿が映されている事から、この二つは関係しているように思えます。
幼い頃の碇シンジの後、裸の上半身を両腕で覆う葛城ミサトの姿が映ります。葛城ミサトは画面の右端を下にして立っている状態です。葛城ミサトの胸の間にはセカンドインパクト時に負ったと言う傷がありますが、ここでは両手で隠されていて見えません。胸の傷の事を考えると胸を覆っている姿と言うよりは胸の間の傷を覆っている姿と言った方が良いかも知れません。
幼い頃に(母親剥奪児となった上に)父親に捨てられ、トラウマを負い、その後、父親を憎む一方で認められたいとも思う碇シンジ。セカンドインパクト時(子供の頃)に父親によって命を救われたが、心に傷を負い、その後、父親に対して複雑な思いを抱く(嫌っている半面で追い求める)葛城ミサト。考え過ぎかも知れませんが、ここでの碇シンジと葛城ミサトの間には一連の流れがあるようにも思います。
ここでの葛城ミサトの十字架は、正面からの構図になっているためか、立体十字には見えません。また、左右に比べると上下が少し長くなっているように見えます。一見すると物語の中で見られる立体ギリシャ十字の十字架とは違うもののように見えます。(但し、本編においても十字架の縦の長さが多少長く描かれている事はあります。また、ギリシャ十字と呼ぶには難しい明らかなラテン十字型(縦の下側だけが他よりも長くなっている十字型)として描かれている事もあります。葛城ミサトの十字架は基本的にはギリシャ十字だと思われるものの、この辺りは不安定なようです。)
セカンドインパクト
- SECOND IMPACT(黒背景に赤い文字)
- セカンドインパクト時の南極に出現した光の巨人(第1使徒アダム)
- 人工衛星が捉えたセカンドインパクト発生時の南極の衛星写真
「SECOND IMPACT」の文字、セカンドインパクト時の南極に出現したヒカリの巨人(アダム)、人工衛星が捉えたセカンドインパクト発生時の南極の衛星写真...と、素早く画面が切り替わって行きます。
ここまでに出て来た文字は全て黒背景に白い文字でしたが、ここでの「SECOND IMPACT」の文字は黒い背景に赤い文字でした。
碇ユイ
- 裸で膝を抱えて座っている綾波レイ
- 若い頃の碇ユイ(線描)
- 頭部装甲の上半分を失ったエヴァンゲリオン初号機の頭部左側面
- ADAM(白背景に黒い文字)
裸で膝を抱えて座っている綾波レイ、若い頃の碇ユイ、頭部装甲の上半分を失ったエヴァンゲリオン初号機の頭部左側面、「ADAM」の文字...と、素早く画面が切り替わって行きます。
若い頃の碇ユイは青色、桃色、白のグラデーション背景に黒い線だけで描かれています。
頭部装甲を失っているエヴァンゲリオン初号機は第弐話「見知らぬ、天井」での第3使徒サキエル戦の後のエヴァンゲリオン初号機であるように見えます。
頭部装甲を失っているエヴァンゲリオン初号機の後、画面は「ADAM」と言う文字に切り替わります。ここまでに画面に現れた文字やマークはどれもその前後のどこかに関連性を見付ける事が出来ました。その事から考えると「ADAM」の文字もエヴァンゲリオン初号機との関連があって表示されたものだと考えたくなるのですが、しかし、物語の中ではエヴァンゲリオン初号機(リリスのコピー体であり、碇ユイを沈めたコアを持つ)とアダムの間にはそれほど関連性があるとは言えず、ここでの「ADAM」は前後との関連性は薄いように感じられます。この「ADAM」に就いては前後の流れなどとは関係無く表示されていると考えた方が良さそうです。(「ADAM」では無く「LILITH」であれば上手く纏まったのですが...。)
ここまで強引に何らかの纏まりを作りながら記事を進めて来た事もあり、それを捨てられずに同じように何かで区分しようとここでは「碇ユイ」と言う言葉で括ってみましたが、この「碇ユイ」と言う括りは、自分で行っておきながら、流石に無理がありそうに思いました。一応、綾波レイと碇ユイ、エヴァンゲリオン初号機と碇ユイとの間には関連性があると言えますが、流れ上、ここが「碇ユイ」で纏められているとは思えせん...。
赤木リツコ
- 赤木リツコの横顔
- 第6使徒ガギエルの固有波形パターン
赤木リツコの横顔、第6使徒ガギエルの固有波形パターン...と切り替わります。ここも引き続き素早い切り替わりです。
これまで画面の切り替えの流れの中に何らかの関連性があるものとして(強引に)話を進めて来たので、赤木リツコの横顔から第6使徒ガギエルの固有波形パターンへの切り替わり(そして、そこから葛城ミサトへの切り替わり)の中にも同じように関連性を見付けようと(こじ付けようと)したのですが、残念ながらそれらしい関連性は思い浮かびませんでした。画面の切り替えの流れの中に関連性を持たせている部分は確かにあると言って良いと思うのですが、中には何の関連性も無い流れになっている部分、気紛れが含まれているような部分もあるのでは無いかと...この使徒の固有波形パターンが赤木リツコの後に入った流れを見てそう思いました。(もしくは姫が至らずに読み取れないだけであり、ここにもきちんとした関連性があるのかも知れませんが...。)
既に画面の切り替えの中に何らかの流れを見て取る事は出来なくなっていますが、(記事を振り返ればここに至る前から既にその見方は破綻していますが、)今まで続けて来たと言う事もあり、一応(未練がましく)、「赤木リツコ」で括ってあります...。
葛城ミサト
- 上半身を起こす葛城ミサト
- 大学時代の葛城ミサトと加持リョウジと赤木リツコ(線描)
ここでの葛城ミサト(上半身を起こす葛城ミサト)は(前出の膝を抱えている葛城ミサトや上半身裸で胸を両手で覆う葛城ミサトとは違い)普段の(本人がいつも表に見せている)強い葛城ミサトの姿のように見えます。
ここでの葛城ミサトの十字架も(今度は正面からでは無いのですが、)立体十字には見えません。また、ここでも縦方向が長く、ギリシャ十字には見えません。
大学時代の葛城ミサトと加持リョウジと赤木リツコが並んでいる画面は茶色の背景に黒い線だけで描かれています。
庵野秀明
- 監督 庵野秀明(黒背景に白色の文字)
黒い背景に白色の太い明朝体で「監督 庵野秀明」と言う文字が大きく現れます。この文字(文字列)では途中で直角に曲がる表現が使われています。
姫は「新世紀エヴァンゲリオン」を見る前にあやちゃんに言われ、あやちゃんの指定した別の作品をいくつか見てから「エヴァンゲリオン」を見たのですが、その「エヴァンゲリオン」を見る前に見た作品の中の一つに「犬神家の一族」と言う映画がありました。(市川崑が監督のもので、新旧共に見ました。)この「犬神家の一族」ではここでの「監督 庵野秀明」で使われた手法と同じような手法による表現...黒背景に白色の太い明朝体を使い、文字列を途中で直角に曲げる表現...が見られました。そのため、この「監督 庵野秀明」の表示を最初に見た時には「犬神家の一族」のオープニングを思い出したのですが、もしかするとここでのこの表現は「犬神家の一族」のオープニングで使われた手法を真似したものなのかも知れません。
碇シンジ
- エヴァンゲリオン初号機から浮かび上がり手前に消えて行く碇シンジ
- 青空を背景に上を見上げる碇シンジ
- 俯き加減で叫ぶ碇シンジ
- ライトの強い光に照らされる碇シンジ
- 楽しそうに笑う碇シンジ
エヴァンゲリオン初号機から半透明の碇シンジがゆっくりと手前に飛び出して来て画面下へと消えて行きます。重なっていた状態から分離したようにも見えます。
その後は、俯き加減で叫ぶ碇シンジ、ライトの強い光に照らされる碇シンジ、楽しそうに笑う碇シンジ...と素早く画面が切り替わって行きます。
文字のような謎の模様
- 文字のような謎の模様
最後に文字のような謎の模様が並んだ画面でオープニングは終わります。
文字のような模様の中には○と○を線で繫いでいる箇所が確認出来ます。
これを文字だとして、姫の手元にある資料(魔術やオカルト系の資料)の中からそれらしきものを探したところ、「渡河文字」、「天上文字」、「Malachim(または天使文字)」の三つの文字(アルファベット)が同じような特徴を持っていたのですが、どれもここでの文字とは異なるものであり、結局のところ同一のものは見付からず、(それが文字だとして)何の文字であるかは分からずじまいでした。オリジナルのものである可能性もあるのでは無いかと思います。
「残酷な天使のテーゼ」の感想
「残酷な天使のテーゼ」は姫がこれまでに見たアニメで使われていたオープニング曲、エンディング曲の中ではとても印象的な曲だったと言えます。ただ、それは曲単体でと言うのでは無く映像と相俟っての事であり、映像による影響も大きかったように思います。
姫は「新世紀エヴァンゲリオン」を見る際には、毎回、オープニングを飛ばさずにきちんと見ていました。あやちゃんが言うには「エヴァンゲリオン」に関してはそれは「そうあるべきであり、当然の事」だそうです。姫はアニメを見るのが苦手であり、アニメや個々のアニメ作品において当然とされる事すら出来ていない事が多々あるので...「エヴァンゲリオン」のオープニングは飛ばさずに見る...この当然の事が自然に出来ていた事をとても嬉しく感じました。以前と比べると少しはアニメに慣れて来たのかも知れません。
TV版「新世紀エヴァンゲリオン」のオープニングでは「残酷な天使のテーゼ」の曲中の1番しか使われていませんが、この曲に就いてはあやちゃんから賜った光の円盤(正規記録メディア)で曲全体も聴きました。
曲だけの「残酷な天使のテーゼ」を聴いて思った事は、この曲が曲だけであったなら特別な印象を持つ事は無かったのでは無いかと言う事です。「新世紀エヴァンゲリオン」と言う作品の中で出会った事が姫に強い印象を与える要因となっていたように思います。