新世紀エヴァンゲリオン 第八話「アスカ、来日」 【解説】
第八話「アスカ、来日」
太平洋上で行われた第6使徒ガギエル戦のお話です。惣流・アスカ・ラングレー、加持リョウジ、エヴァンゲリオン弐号機の初登場話になっています。(加持リョウジに就いては第七話「人の造りしもの」において声のみで既に登場しています。)
オーバー・ザ・レインボー
葛城ミサト、碇シンジ、そして、鈴原トウジと相田ケンスケを加えた4人はミル55D輸送ヘリで太平洋上を航行するUN軍の艦隊へと向かっていました。
艦隊のいる海域に辿り着くと一行を乗せたミル55D輸送ヘリは空母オーバー・ザ・レインボーへと着艦。4人は甲板へと降りていました。
ヘリの中や甲板上での相田ケンスケは動画撮影用のカメラを片手に一人興奮気味でした。相変わらず軍事関連への関心が高いようです。
惣流・アスカ・ラングレー
オーバー・ザ・レインボーの甲板では惣流・アスカ・ラングレーが待っていました。
惣流・アスカ・ラングレーは葛城ミサトとは面識があるらしく、葛城ミサトによって紹介されていました。
その紹介が終わって直ぐ、甲板上に吹いていた風によって惣流・アスカ・ラングレーのスカートが大きく捲れていました。惣流・アスカ・ラングレーはスカートが捲れている間、露になった下着を隠そうともしなかったのですが、その後、そこにいた碇シンジ、鈴原トウジ、相田ケンスケの3人を平手で叩いていました。「見物料よ、安いもんでしょ」との事でした...。
これ対抗して鈴原トウジはその場で下半身を露出しますが、それが原因で惣流・アスカ・ラングレーに2回目の平手を受けていました...。
碇シンジがサードチルドレンだと聞かされた惣流・アスカ・ラングレーは碇シンジに対して感じた事を本人の前で本人に聞かせるようにそのまま言葉にしていました。
惣流・アスカ・ラングレーは登場したばかりですが、その僅かな間に見せた言動...登場時の立ち姿であったり、飛んで来た鈴原トウジの帽子を足で踏み付ける、受動的に下着を見てしまった3人を平手で叩く、初対面の相手に対して遠慮の無いものの言い方をすると言った態度であったり...には惣流・アスカ・ラングレーの性格的特徴が良く現れていたと思います。惣流・アスカ・ラングレーがどう言った対外的態度を取る人物なのかが一目で分かる(分かるようにした)登場場面だと思います。
オーバー・ザ・レインボーのブリッジ
一行は惣流・アスカ・ラングレーを加えてオーバー・ザ・レインボーのブリッジへと上がっていました。
艦隊はエヴァンゲリオン弐号機と惣流・アスカ・ラングレーをドイツ(※)から日本へと届ける事が任務のようです。一方、葛城ミサトが乗って来たミル55D輸送ヘリにはエヴァンゲリオンの非常用電源ソケットが積まれているらしく、葛城ミサトが言うには万一の事態に対する備えとしてエヴァンゲリオンの非常用電源ソケットを運んで来たとの事でした。
(※前回(第七話「人の造りしもの」)の予告からするとドイツのヴィルヘルムスハーフェンから出航したものと思われます。)
艦長はミル55D輸送ヘリが空母の甲板へと着艦する際に「いい気なもんだ、おもちゃのソケットを運んで来おったぞ。ガキの使いが」と言っていましたが、「おもちゃ」はエヴァンゲリオン弐号機、「ソケット」はエヴァンゲリオンの非常用電源ソケットの事を言っていたようです。
葛城ミサトは艦長に対してエヴァンゲリオン弐号機とそのパイロットである惣流・アスカ・ラングレーの引渡しを求めますが、艦長は第3支部より本艦隊が預かったものであり、引渡しは新横須賀に陸揚げしてからだと認めませんでした。艦長の言葉に葛城ミサトは引き下がりますが、有事の際はネルフの指揮権が最優先である事を艦長に伝えていました。
オーバー・ザ・レインボーの艦長はエヴァンゲリオン弐号機やそれを運ばされている事に気に入らないところがあるらしく、葛城ミサトに対しては、終始、皮肉混じりの言葉で話していました。
葛城ミサトと加持リョウジ
ブリッジに加持リョウジがやって来て、そこで葛城ミサトは加持リョウジと再会します。
加持リョウジは惣流・アスカ・ラングレーの随伴でドイツから出て来たようです。葛城ミサトは加持リョウジとの再会に嫌そうな顔をしていました。
その後、加持リョウジを加えた一行は談話室のような場所へと移動していました。
この加持リョウジの台詞に葛城ミサト、惣流・アスカ・ラングレー、鈴原トウジ、相田ケンスケはとても驚いていました。そして、葛城ミサトは加持リョウジに対して顔を真っ赤にしながら声を荒らげてた後、「冗談じゃない、悪夢よ」と頭を抱え込んでいました。
加持リョウジの話によると碇シンジは関係者の間では有名になっているようです。何の訓練も無しにエヴァンゲリオンを実戦で動かしたサードチルドレンとして。
エヴァンゲリオン弐号機
加持リョウジから碇シンジがいきなりの実践で40パーセントを越えるシンクロ率を見せたと言う話を聞いた惣流・アスカ・ラングレーは、碇シンジに声を掛け、エヴァンゲリオン弐号機が置かれている場所へと碇シンジを連れて行きます。
エヴァンゲリオン弐号機があるオセローの甲板へと着いた惣流・アスカ・ラングレーは、液体にうつ伏せになって浸かっているエヴァンゲリオン弐号機の背部の上の高いところに立ち、このエヴァンゲリオン弐号機こそが、プロトタイプのエヴァンゲリオン零号機やテストタイプのエヴァンゲリオン初号機とは違い、実践用に作られた世界初の本物のエヴァンゲリオンだと碇シンジに自慢していました。
そこに水中衝撃波が到来。海上を確認すると第6使徒ガギエル(この段階では名前は不明)が艦隊に襲い掛かり艦艇を沈めていました。
この使徒襲来の事態に惣流・アスカ・ラングレーは待っていたとばかりの顔を見せていました。
第6使徒ガギエル襲来
第6使徒ガギエルの襲撃を受け、ブリッジやって来た葛城ミサトが艦長に言った台詞です。
これは...「お困りのようですね。私であれば敵にも詳しく、何とかする事も出来ますが、無駄な努力をするよりもここは私達を頼ってみてはどうでしょう」...と言っているようなものですが、最初にブリッジで顔を合わせた時に艦長に皮肉を言われた事へのお返しがここに混ざっているように聞こえます。
艦長はこの葛城ミサトの申し出を受けず、艦隊の火力を使って敵の撃墜に当たりますが...沈められずにいました。
エヴァンゲリオン弐号機出撃
プラグスーツに着替えた惣流・アスカ・ラングレーは戦いを前に自分に言い聞かせるようにこう呟いていました。
惣流・アスカ・ラングレーは自分がプラグスーツに着替えた後、持っていた他のプラグスーツを碇シンジに渡します。碇シンジを戦闘に付き合わせるつもりのようでした。
碇シンジはプラグスーツに着替えた後、プラグスーツに着替えて何をするのかを惣流・アスカ・ラングレーに尋ねていましたが、プラグスーツに着替えて、尚、何をするのか気が付かない事に惣流・アスカ・ラングレーからは「あんたバカァ」と言われていました。
ここで惣流・アスカ・ラングレーが放った「あんたバカァ」が作中での初めてのそれになります。
惣流・アスカ・ラングレーは碇シンジをエヴァンゲリオン弐号機のエントリープラグに一緒に乗り込ませていましたが、これは自分の優秀な様を碇シンジに直に見せようと言うのがその目的のようです。
エヴァンゲリオン弐号機出陣
最初、惣流・アスカ・ラングレーがドイツ語でエヴァンゲリオン弐号機を起動させようとしたところ、同乗者である碇シンジが思考を日本語で行っていたため「FEHLER」となり、起動に失敗。そこで思考言語を日本語ベーシックに変え、惣流・アスカ・ラングレーも思考を日本語にして挑戦したところ、今度はきちんと起動していました。
起動後のエヴァンゲリオン弐号機は内部電源が1分しか残っていない状態だったため、他の艦艇の甲板を足場にしながら跳躍し、外部電源を備えたオーバー・ザ・レインボーまで移動。その甲板でアンビリカルケーブルを接続し、電源を外部供給にしていました。電源ソケットを持って来た事が役に立ったようです。
電源を外部供給に切り替えた後、エヴァンゲリオン弐号機はオーバー・ザ・レインボーの甲板でプログナイフを構えて第6使徒ガギエルを待ち構えます。そして、海中から飛び出して突進して来た第6使徒ガギエルを一時は受け止めますが...その後、持ち堪え切れずに第6使徒ガギエルによって海へと引き込まれていました。
この第6使徒ガギエルがエヴァンゲリオン初号機へと突進して来た場面では第6使徒ガギエルの口の下側に第3使徒サキエルのような顔を確認する事が出来ます。
海に引き込まれたエヴァンゲリオン弐号機は海中で第6使徒ガギエルにしがみ付いていましたが、その状態のまま引っ張られて行き、アンビリカルケーブルが延び切ったところでその衝撃と共に第6使徒ガギエルを離していました。
エヴァンゲリオン弐号機から離れた第6使徒ガギエルはエヴァンゲリオン弐号機から遠ざかり、確認出来ない状態になっていました。
加持リョウジ : 脱出
第6使徒との交戦状態の中、加持リョウジはヤク38改に乗って飛び立って行きました。
食われるエヴァンゲリオン弐号機
エヴァンゲリオン弐号機に対して第6使徒ガギエルが再び接近して来ますが、この時、海中でのエヴァンゲリオン弐号機はほとんど動かない状態になていました。B型装備であるためのようです。
第6使徒ガギエルはエヴァンゲリオン弐号機に口を開けて迫り、動けないエヴァンゲリオン弐号機は抵抗も出来ずに第6使徒ガギエルに食い付かれていました。
第6使徒ガギエルはエヴァンゲリオン弐号機の上半身に食い付いていましたが、エヴァンゲリオン弐号機の機体に損傷は無いようでした。
第6使徒ガギエルがエヴァンゲリオン弐号機に食い付いている状況に葛城ミサトは艦長に生き残った戦艦二隻による零距離射撃を提案していました。
その内容は...アンビリカルケーブルの軸線上に無人の戦艦2隻を自沈させ、エヴァンゲリオン弐号機が第6使徒ガギエルの口を抉じ開け、アンビリカルケーブルを巻き上げて行き、第6使徒ガギエルの開いた口の中へ戦艦2を突入させ、艦首主砲塔の直接砲撃の後、更に自爆させる...と言うものでした。
エヴァンゲリオン弐号機が使徒に食い付かれている事とアンビリカルケーブルで繫がっている事を利用した作戦のようです。
作戦開始
無人にした戦艦2隻をアンビリカルケーブルの軸線上に沈降させ、その一方でアンビリカルケーブルを巻き上げて第6使徒ガギエルの引き上げを行い、接近する双方が接触するまでの間にエヴァンゲリオン弐号機が第6使徒ガギエルの口を開かせる...と言う作戦でしたが、第6使徒ガギエルの口を開かせるのは簡単では無く、戦艦と第6使徒ガギエルが近づいて行く中、惣流・アスカ・ラングレーと碇シンジは口を開かせるのに手間取っていました。
しかし、2人で力を合わせ、戦艦との接触直前に第6使徒ガギエルの口を抉じ開ける事に成功。その後、開いた口へと戦艦が突入し、主砲発射からの自爆によって第6使徒ガギエルを殲滅していました。
新横須賀(旧小田原)
使徒殲滅後、艦隊は新横須賀に到着していました。
艦から降りて来た惣流・アスカ・ラングレーと碇シンジが同じプラグスーツを来ていた事に対する鈴原トウジと相田ケンスケの台詞です。姫はここで「ペアルック」と言う言葉を始めて聞きました。意味は状況からして何と無く分かりましたが...少し特殊な言葉の使い方であるように感じました。
第6使徒ガギエル戦のデータを見ると戦闘中にシンクロ値の記録更新があったそうです。7秒間だけだそうですが。
執務室
第6使徒ガギエルとの戦闘中にヤク38改に乗って艦隊飛び立った加持リョウジは執務室の碇ゲンドウへと荷物を届けていました。
加持リョウジの運んで来たトランクの中には胎児のような生物が硬化ベークライトで固められた状態で収められていました。碇ゲンドウはそれを「アダム」と呼んでいました。
艦隊が第6使徒ガギエルに襲撃された際、葛城ミサトは「しかし、なぜ使徒がここに...まさか弐号機...」と言っていましたが、第6使徒ガギエルの狙いはこのアダムであったと思われ、交戦状態の中で何かを探している様子を見せたのもこのアダムを探しての事だったと思われます。
使徒襲来の中、加持リョウジは碇ゲンドウに連絡を取り、そこで「最悪の場合、君だけでも逃げろと」と言われていましたが、それはこのアダムを届ける事が最優先だったからのようです。
惣流・アスカ・ラングレー
惣流・アスカ・ラングレーは碇シンジ達が通う学校に転入して来ていました。
第八話「アスカ、来日」の終わりに
この1話だけでも惣流・アスカ・ラングレーの性格が十分に見て取れる内容になっていると思いました。
惣流・アスカ・ラングレーが登場し、この辺りからエヴァンゲリオン」を好きになり出したと言う人もいるかも知れません。因みに、あやちゃんはそうだったようです。