新世紀エヴァンゲリオン 第拾話 「マグマダイバー」 【解説】

第拾話 「マグマダイバー」

第8使徒サンダルフォン戦。浅間山火口のマグマの中で羽化直前の幼態の捕獲作戦が行われます。

修学旅行の準備

惣流・アスカ・ラングレーは加持リョウジに付き合って貰い、ショッピングに出ていました。沖縄への修学旅行を控え、水着を買いに来たようでした。

加持リョウジの時代には修学旅行は無かったようです。セカンドインパクトでそれどころで無かった時代だったようです。

その夜、惣流・アスカ・ラングレーは葛城ミサトから戦闘待機のため修学旅行へは行けないと言う事を聞かされていました。碇シンジは最初から修学旅行には行けないだろうと思っていたようですが、惣流・アスカ・ラングレーはそうとは考えずにすっかり修学旅行へと行く気になっていたようです。

碇シンジと惣流・アスカ・ラングレーは他の生徒が修学旅行に出掛けている間に勉強するようにと葛城ミサトに言われていました。碇シンジも惣流・アスカ・ラングレーも学校でのテストの点数は良く無いようです。

お留守番

修学旅行に行かずに第3新東京市に残った碇シンジ、惣流・アスカ・ラングレー、綾波レイの3人はプールに集まっていました。

プールサイドでは碇シンジが理科の勉強をしていました。そこにやって来た惣流・アスカ・ラングレーは碇シンジが苦労していたと思われる「難しい問題」を簡単に解いて見せていました。惣流・アスカ・ラングレーはドイツでは、去年、大学を卒業しているようであり、転校して来た後のテストの点数が良く無かったのは日本語での問題文が良く分からなかった事が原因のようでした。漢字をまだ全ては憶えていないそうです。

惣流・アスカ・ラングレー :
「私の場合、胸だけ暖めれば少しはおっぱいが大きくなるのかな」

碇シンジ :
「そ、そんな事、聞かれたって分かんないよ」

惣流・アスカ・ラングレー :
「つまらない男」

その後、熱膨脹の話しをする中での惣流・アスカ・ラングレーと碇シンジの会話です。

惣流・アスカ・ラングレーの価値基準では碇シンジの対応は評価を下げるものだったようです。姫の中では惣流・アスカ・ラングレーの方が評価を下げるような内容の会話なのですが...人それぞれと言ったところだと思います。

惣流・アスカ・ラングレー :
「見て、見て、シンジ。バックロールエントリー」

惣流・アスカ・ラングレーは修学旅行でのスクーバダイビングを楽しみにしていたようですが、その代替としてボンベ式の水中呼吸器を口にプールへと潜っていました。

浅間山火口

浅間山火口内に謎の影があるとの情報が浅間山地震研究所よりネルフに上がって来ていました。この段階では(使徒であるかどうかの)マギの判断は50/50でした。

現地には既に葛城ミサトが入り、正体を探るべく調査を行っていました。そして、浅間山火口内に無人観測機を潜行させ解析したところ、パターン青、使徒と判明していました。

この使徒、第8使徒サンダルフォン(この段階では名前は不明)は卵のような殻に包まれ、胎児のような状態になっていました。

胎児状の使徒を確認した葛城ミサトは碇ゲンドウへのA17を要請をネルフ本部に伝えていました。

ゼーレ

碇ゲンドウは冬月コウゾウと共にゼーレの集まりに出席していました。

ゼーレのメンバー :
「駄目だ、危険過ぎる。15年前を忘れたとは言わせんぞ」

ゼーレのメンバーはA17の件では使徒に対してこちから攻勢に出る事は危険だと反対していました。

キール・ローレンツ :
「失敗は許さん」

しかし、碇ゲンドウが生きた使徒のサンプルの重要性を訴えるとゼーレのメンバー達は立ち去っていました。失敗しない事を前提に認められたようです。

冬月コウゾウ :
「失敗か。その時は人類そのものが消えてしまうよ」

ここでの「15年前を忘れたとは言わせんぞ」、「失敗は許さん」、「その時は人類そのものが消えてしまうよ」と言った台詞からすると、これからネルフが行おうとしている事は失敗すればセカンドインパクトのような事態も起こり得る大きな危険を孕んだもののようです。

作戦会議

今回の作戦は使徒の捕獲が最優先であり、出来得る限り原形を留め生きたまま回収する事。それが出来なければ即時殲滅との事でした。

作戦担当には惣流・アスカ・ラングレーが立候補していました。

エヴァンゲリオン零号機は特殊装備が規格外であるため綾波レイと共に本部での待機を命じられていました。

第8使徒サンダルフォン捕獲作戦開始前

作戦に当たり、惣流・アスカ・ラングレーは耐熱使用のプラグスーツを装着していました。耐熱使用のプラグスーツはバルーンのように膨らんだ状態であり、惣流・アスカ・ラングレーはその不恰好さが気に入らないようでした。

エヴァンゲリオン弐号機には耐熱耐圧耐核防護服、局地専用のD型装備が施されていました。こちらも耐熱使用のプラグスーツと同じく丸く膨らんだような見た目であり、やはり、惣流・アスカ・ラングレーは気に入らないようでした。

惣流・アスカ・ラングレーは見た目の恰好悪さを気にして作戦担当を降りると言い出していました。しかし、綾波レイがエヴァンゲリオン弐号機で出ると言うと、惣流・アスカ・ラングレーは作戦担当を降りる事を思い直していました。綾波レイにはエヴァンゲリオン弐号機に乗って欲しく無いようでした。

浅間山火口 : 第8使徒サンダルフォン捕獲作戦

エヴァンゲリオン初号機、エヴァンゲリオン弐号機、作戦関係者がネルフ本部から浅間山へと移動。この時、仕事の無い加持リョウジは外部の人間とロープウェイ内で接触し、A17に関しての話をしていました。スパイ活動を行っているようです。

浅間山上空にはUNの航空機が待機していました。ネルフの作戦が失敗した時にN2爆雷を投下して第8使徒サンダルフォンを熱処理するために待機しているようです。ネルフの後始末をする係りです。N2爆雷を使えば作戦に参加している人々も一緒に爆発に巻き込む事になりますが、セカンドインパクトのような事態が起こるよりは増しだと言う判断によるものだと思われます。

惣流・アスカ・ラングレー :
「見て、見て、シンジ。ジャイアントストロングエントリー」

エヴァンゲリオン弐号機はクレーンに吊るされた状態で浅間山火口の溶岩内へと入って行きました。

第8使徒サンダルフォンの幼態との接触

エヴァンゲリオン弐号機は深度1300まで沈降。目標予測地点ですが第8使徒サンダルフォンは見当たりませんでした。

思っていたよりも対流が速く、目標の移動速度に誤差があったようです。そこで再計算を行った後、更に沈降を開始。沈降は限界深度を超えても続き、限界深度プラス120の地点ではプラグナイフの固定具が取れたためプラグナイフを喪失していました。そして、深度1780、目標予測修正地点に到達。第8使徒サンダルフォンの幼態を発見します。

第8使徒サンダルフォンの幼態を発見したエヴァンゲリオン弐号機はキャッチャー(捕獲機)の電磁柵を展開し、これの捕獲に成功。捕獲後は浮上に移っていました。

赤木リツコ :
「あなたも今日の作戦、怖かったんでしょ」

葛城ミサト :
「まぁね。下手に手を出せばあれの二の舞ですものね」

赤木リツコ :
「そうね。セカンドインパクト、二度とごめんだわ」

惣流・アスカ・ラングレーのエヴァンゲリオン弐号機が浮上している最中に行われた赤木リツコと葛城ミサトの会話です。

やはり、展開によっては、最悪の場合、セカンドインパクトのような事態が起こり得たようです。

第8使徒サンダルフォンの羽化

エヴァンゲリオン弐号機の浮上中、それまで幼態だった第8使徒サンダルフォンが、突然、羽化を始めます。エヴァンゲリオン弐号機は第8使徒サンダルフォンの羽化に伴いキャッチャー(捕獲機)を破棄。作戦は第8使徒サンダルフォンの殲滅に切り替わっていました。

エヴァンゲリオン弐号機は撤収しつつ戦闘準備との事でしたが、潜行時にプラグナイフを失っていたため、実質、戦闘不可能な状態でした。

キャッチャー(捕獲機)を破壊して外へと出た第8使徒サンダルフォンはエヴァンゲリオン弐号機に突進して行きますが、この時はバラストの放出で機体を軽くする事で突進を避けていました。

武器の無いエヴァンゲリオン弐号機に対し、火口の上に待機していたエヴァンゲリオン初号機がプログナイフを投げ込みます。エヴァンゲリオン弐号機は投げ込まれたナイフを受け取りますが、第8使徒サンダルフォンに突進から巻き付かれ、更に、その状態から食い付かれていました。第8使徒サンダルフォンに食い付かれたエヴァンゲリオン弐号機はプラグナイフを突き立てて応戦しますが、プラグナイフによる攻撃は全く効いていないようでした。

第8使徒サンダルフォンに対してはプラグナイフでは歯が立たず、これで打つ手無しかと思われましたが、惣流・アスカ・ラングレーはここで咄嗟に熱膨脹の利用を思い付きます。

惣流・アスカ・ラングレーは直ぐに冷却液のパイプを第8使徒サンダルフォンへと押入れ、冷却液を第8使徒サンダルフォンへと流し込みます。そして、プラグナイフを何度も突き立てていると第8使徒サンダルフォンはエヴァンゲリオン弐号機からは離れて行き、溶岩の中で滅んで消えていました。

惣流・アスカ・ラングレー :
「折角、やったのに。やだな、ここまでなの」

第8使徒サンダルフォンの殲滅には成功しましたが、それと同時に戦闘での影響によてエヴァンゲリオン弐号機を吊るしていたケーブルが千切れます。ケーブルが千切れたエヴァンゲリオン弐号機は火口内を下方へと落下。この時、惣流・アスカ・ラングレーは助かりはしないだろうと諦めていました。

しかし、火口内へと下りて来ていたエヴァンゲリオン初号機が落下するエヴァンゲリオン弐号機を間一髪のところで捕まえていました。碇シンジに助けられ、惣流・アスカ・ラングレーは死亡せずに済んでいました。

惣流・アスカ・ラングレー :
「シンジ?」、「馬鹿、無理しちゃって」

碇シンジに助けられた惣流・アスカ・ラングレーは少し嬉しそうな表情を浮かべていました。

近江屋

作戦が終了し、葛城ミサト、碇シンジ、惣流・アスカ・ラングレーの3人は帰りに温泉宿に寄っていました。

近江屋には宅配便でペンペンが届けられていました。送り主は加持リョウジでした。近江屋に着いたペンペンは直ぐにお風呂を探し、入っていました。流石は温泉ペンギンです。

碇シンジ :
「膨脹してしまった。恥ずかしい」

女湯から聞こえて来る葛城ミサトと惣流・アスカ・ラングレーの遣り取りを暫く聞いていた碇シンジは、碇シンジの腰部前面に目をやり不思議そうにしているペンペンに気が付くと、その直後に股間を押さえて慌ててお湯の中に浸かっていました。

臆測になりますが、この場面では碇シンジの男根部が直立男根と言われる状態になっていたのでは無いかと思われます。それが具体的にどう言う状態であるかは分からないのですが、言葉上ではそう言われている状態()へと変化していたのだと思います。そして、それを目にしたペンペンは不思議そうにし、碇シンジは恥ずかしがったのでは無いかと思います。

(姫の持っている資料を見るとトートタロットの「悪魔(男根的意志の力を象徴するカード)」の中に直立男根の絵を見る事が出来ます。山羊とカドゥケスの背景に描かれている「生命の樹」がそれです。それは幹とその下部にある二つの透明な球体から成る樹であり、樹の幹は天上(ヌイト)を貫いて上方へと伸びていて、下部の透明な球体には活動する樹液が内包されています。この幹が男根部、透明な球体が睾丸、球体内の樹液が睾丸内の精液を暗に表現しているようであり、その事から、恐らく、幹が上へと向かって聳立している状態が直立男根と呼ばれる状態なのでは無いかと思います。他にも心理学の勉強の際に見た患者の内面を表した絵の中に現れた男根的象徴を見ると、他にも様々な形や表現がありますが、棒状であったり、凸状であったり、上へ伸びているものなどが見られ、その事からもそのようなのでは無いかと。フロイトは棒状や凸状のものであれば直ぐに(安易に)男根と結び付けたがっていましたし。)

碇シンジの発した「膨脹」と言う言葉は直立男根的状態への変化を指している言葉だと思われますが、膨脹と言う言葉がそれを表現した適切な言葉だとするなら、直立時には男根部の体積が(熱によって?)増えると言う事なのでしょうか。

葛城ミサト :
「あぁ、これね。セカンドインパクトん時、ちょっちね」

葛城ミサトの胸の間には目立つ傷がありました。セカンドインパクト時に負った傷のようです。

惣流・アスカ・ラングレーも何か訳ありのようであり、その事を葛城ミサトは知っているようでしたが、お互い昔の事だから気にする事は無いと言っていました。

葛城ミサトの胸の下の傷

葛城ミサトの胸の下の傷。セカンドインパクト時に負ったものと思われる。

[ 画像引用元 : 新世紀エヴァンゲリオン (c) GAINAX ]

第拾話「マグマダイバー」の終わりに

第八話「アスカ、来日」、第九話「瞬間、心、重ねて」に続いてこの第拾話「マグマダイバー」も惣流・アスカ・ラングレーのお話でした。惣流・アスカ・ラングレーが登場してから(実際にはその前の第七話「人の造りしもの」からですが、ここのところ)綾波レイの出番が殆ど無いのが寂しいところです。綾波レイが好きと言う訳では無いのですが。

第8使徒サンダルフォンの捕獲に際しては、最悪の場合、セカンドインパクトのような事態が起こる可能性があるように見せていましたが、(以降の物語の中で描かれるセカンドインパクト時の状況からすると)あの状況だけでセカンドインパクトのような事態が起こり得るとは考え難く、セカンドインパクトの真相を知っていると思われる人物(ゼーレ、碇ゲンドウ、冬月コウゾウ、赤城リツコ)の話中での会話や態度には(赤木リツコは葛城ミサトの手前と言う事が考えられますが、)少し不自然な感じを受けました。

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