新世紀エヴァンゲリオン 第参話 「鳴らない、電話」 【解説】

第参話 「鳴らない、電話」

碇シンジの学校でのお話と第4使徒シャムシエル戦のお話です。相田ケンスケ、鈴原トウジ、洞木ヒカリの初登場回です。

戦闘シミュレーション

ネルフではエヴァンゲリオン初号機を使っての戦闘シミュレーションが行われていました。

碇シンジ :
「目標をセンターに入れてスイッチ...。目標をセンターに入れてスイッチ...」

この訓練の間、碇シンジはずっと覇気の無い表情をしていました。また、態度も「自分の意思など関係無く言われた事を言われるがままに行えば良いのだろう」と言った態度で、何も考えずにただひたすら言われた作業を繰り返し行っている状態でした。

第弐話「見知らぬ、天井」での碇ゲンドウと赤木リツコの会話の中でエヴァンゲリオンに碇シンジや綾波レイを乗せる事に就いて赤木リツコは「子供達の意思に関係無く、ですか」と碇ゲンドウに返していましたが、今の碇シンジは正に自分の意思に関係無くエヴァンゲリオン初号機を動かしている状態だと言えます。この状況を欲していたと言う訳では無いと思いますが。

この碇シンジの姿に対して赤木リツコは「人の言う事には大人しく従う、それがあの子の処世術じゃないの」と言っていました。

後の回を見ると碇シンジは言われるがままに行動する時もあれば、受け入れずに強い反発を見せる事や逃亡する事もあるのですが...取り敢えず今は言われるがままの時の碇シンジのようです。

訓練中には機体の電源に就いての説明がありました。機体は有線での電力供給で稼動していて、非常時は体内電池に切り替わるようです。体内電池での稼動は蓄電要領の関係でフルで1分、ゲインを利用しても精々5分しか稼動出来ないようです。赤木リツコはこれを「私達の科学の限界...」と言っていました。

ヤマアラシのジレンマ

碇シンジは転校して2週間が経つのに未だに誰からも電話が掛かって来ないらしく、碇シンジから電話を掛けた様子も無いようで、葛城ミサトは碇シンジに友達がいないのかも知れないと心配していました。

赤木リツコは碇シンジは友達を作るのには不向きな正確かも知れないと言い、ヤマアラシのジレンマの話を持ち出していました。

学校

碇シンジ登校後の教室。教室内の他の生徒の中には相田ケンスケ、洞木ヒカリ(委員長)、綾波レイの姿がありました。綾波レイは未だに包帯姿でしたが、退院は出来たようです。

洞木ヒカリと相田ケンスケの話では鈴原トウジは学校を2週間も休んでいるようでした。

世間ではエヴァンゲリオン初号機と第3使徒サキエルとの戦闘はロボット事件と呼ばれているようでした。第弐話「見知らぬ、天井」ではシナリオB22で発表されたと言っていましたが、そのシナリオは全てを徹底的に隠蔽するものでは無く、どの程度かは分かりませんが「ロボット」が関連している事に就いては明かされているようです。

(第3新東京市に住んでいる人間にはネルフに関わっている者も多いと思われる事から、テレビでの公式発表では「ロボット」には触れられずに一切が隠蔽されていて、それ以外のルートで生徒達がロボットの存在を耳にしていると言う事も考えれますが。)

テレビでの発表によるとロボット事件では怪我人は1人もいないと言う事になっているようです。

鈴原トウジ

2週間も休んでいた鈴原トウジがこの日は登校して来ました。他の生徒は制服姿でしたが、鈴原トウジだけはなぜかジャージ姿でした。

鈴原トウジが休んでいた理由はロボット事件で妹が瓦礫の下敷きになって入院していたためのようです。妹が入院する事になった鈴原トウジはその原因となったロボットのパイロットに腹を立てているようでした。

数学の授業 : セカンドインパクト

教室では数学の授業が行われていました。

授業前の相田ケンスケと鈴原トウジの会話では疎開で転校したため生徒の数が減っているような事を言っていましたが、この場面では教室にはそれなりの数の生徒の姿がありました。生徒が減ったため、幾つかのクラスを一つに纏めたのかも知れません。

この数学の授業ではセカンドインパクトを扱っていました。

授業を行っていた老教師の話によると...20世紀最後の年に大質量の隕石が宇宙より飛来して南極に衝突したそうです。そして、それにより南極大陸は融解し、海洋の水位は上昇、更に地軸の転倒も起こり、生物の存在を脅かすような異常気象が世界中を襲い、数千種の生物、人類の半数が死亡したそうです。

授業はラップトップ型コンピューターを個々の手元に置く形で行われていました。

学校ではロボット事件後に転校して来た碇シンジがロボットのパイロットなのでは無いかと言う噂が出ているらしく、授業中に他の生徒から「碇くんがあのロボットのパイロットというのはホント?」と言う質問が碇シンジのラップトップに送られて来ます。その質問に対して碇シンジは正直に「YES」と答えていました。それによって碇シンジがロボットのパイロットである事がクラス全員の知るところとなっていました。

(碇シンジがロボットのパイロットだと言う噂もネルフ関係者(生徒の親)から流れたものかも知れません。いくらロボット事件の後に転校して来たからと言っても、普通であれば自分達と同じ年齢の少年がロボットのパイロットだとは思いませんので。)

その後、碇シンジはクラスの人達に囲まれて矢継ぎ早に質問を受ける状態になっていました。

校舎の裏

授業後、学校敷地内と思われる場所の建物の裏らしき場所で碇シンジは鈴原トウジに殴られていました。

鈴原トウジ :
「すまんな、転校生。わしゃ、おまえを殴らないかん。殴っとかな気がすまへんのや」

相田ケンスケは殴られて倒れている碇シンジに対して鈴原トウジの妹がロボット事件で怪我をしたと言う事を伝えていました。これが鈴原トウジが碇シンジを殴った理由のようです。それは鈴原トウジの一方的な事情によるものでしか無く、殴られた方の理不尽さが消えるようなものでは無いのですが、相田ケンスケはそれを分かっていながらも、一応、伝えておこうと言った感じに見えました。

碇シンジ :
「僕だって乗りたくて乗ってる訳じゃないのに」

碇シンジを殴った後、鈴原トウジはその場を去ろうとしていましたが、この碇シンジの台詞を聞くと碇シンジの方へと近づいて来て再び碇シンジを殴っていました。

処世術らしきものを生かして黙って殴られていればそれで終わったところが、最後に自分の言いたい事を呟いたために2回殴られる結果になっていました。(碇シンジは赤木リツコの言うように「人の言う事には大人しく従う」時もありますが、嫌な事や納得の行かない事に対してはそう言う態度を放棄する事もあり、黙って受け入れるよりも...ぼやき、当て付け、いじけ、逃げ出す...と言った事の方が多いように思います。)

殴られて倒れていた碇シンジの前に綾波レイがやって来て非常召集を伝えていました。

第4使徒シャムシエル

東海地方を中心とした関東中部全域に特別非常事態宣言が発令されます。第4使徒シャムシエル(この段階では名前は不明)の襲来です。

第3使徒サキエルは15年ぶりの使徒でしたが、第4使徒シャムシエルの襲来はそれから3週間しか間が開いていないようです。

ネルフ本部には碇ゲンドウは不在のようでした。

第4使徒シャムシエルを捉えた映像が映し出されていたネルフ本部の大モニターには「4th ANGEL」の表示があり、葛城ミサトもこの使徒を「第4の使徒」と言っていました。これを見た時はサキエルに続いての2体目のはずが、なぜ「第4の使徒」なのかと疑問に思いました。

ここでは「ANGEL」と言う言葉も気になりました。第壱話「使徒、襲来」の英語タイトルが「ANGEL ATTACK」だった事や、ここでも使徒を指す言葉と思われる箇所に「ANGEL」と言う表記が使われている事から、「ANGEL」が使徒の英語名なのでは無いかとの見当は付きますが、ここまででは「使徒=ANGEL」が明示されている場面はありませんので。

第4使徒シャムシエルは一般的な兵器は全く寄せ付けずに進行を続けます。それに対してネルフではエヴァンゲリオン初号機を出撃させるの用意をします。出撃前の碇シンジを見るとエヴァンゲリオンに乗って戦う事に積極的では無く、なぜ乗るのか何のために乗るのかが自分でも分かっていないようでした。

相田ケンスケと鈴原トウジ

第4使徒シャムシエルの襲来により、非戦闘員と民間人は地下シェルターへと非難していました。

相田ケンスケと鈴原トウジもその中(第334地下避難所)にいましたが、相田ケンスケは地上での戦闘を見たいらしく、鈴原トウジを誘って(上手く言い包めて)2人で地下シェルターの外へと出ていました。

地下シェルターを出た相田ケンスケと鈴原トウジは高台の神社へと移動します。2人が街を見下ろすとそこには既に第4使徒シャムシエルの姿がありました。

第4使徒シャムシエル戦

第4使徒シャムシエルを迎え撃つべくエヴァンゲリオン初号機が射出口から出撃。碇シンジは訓練通り(?)パレットでシャムシエルを攻撃しますが、パレットでの一斉掃射は爆煙を起こしただけでした。

先制攻撃に失敗したエヴァンゲリオン初号機に対して第4使徒シャムシエルが光る触手を使って攻撃を仕掛けます。エヴァンゲリオン初号機はこれを避ける中でアンビリカルケーブルを失い、電源が内臓電源へと切り替わっていました。更に、第4使徒シャムシエルの光る触手を避け切れずに脚部を掴まれ、空中へと投げ出され、高台の神社がある山へと落下していました。

高台の神社に落ちたエヴァンゲリオン初号機の直ぐ横には相田ケンスケと鈴原トウジの姿がありました。直ぐに第4使徒シャムシエルがエヴァンゲリオン初号機に襲い掛かって来ましたが、碇シンジは2人が側にいるために自由に戦えないでいました。

これを見た葛城ミサトは直ぐに2人を操縦席(エントリープラグ)に入れるように指示します。赤木リツコは許可の無い民間人を乗せる事に反対しましたが、その場は葛城ミサトの判断で相田ケンスケと鈴原トウジをエントリープラグに乗せていました。

相田ケンスケと鈴原トウジを乗せた後、エヴァンゲリオン初号機は機体に乗り掛かって来ていた第4使徒シャムシエルを跳ね除けます。ここで葛城ミサトは直ぐに後退命令を出しますが、碇シンジはこれを無視。「逃げちゃ駄目だ」を繰り返し、プログレッシブナイフを手に第4使徒シャムシエルへと向かって行きました。

相田ケンスケと鈴原トウジ(異物)をエントリープラグに入れた事で神経パルスにノイズが混じったようでしたが、エヴァンゲリオン初号機は十分に動けるようでした。

第4使徒シャムシエルに向かって行ったエヴァンゲリオン初号機はプログレッシブナイフを第4使徒シャムシエルの腹部にある赤い球体(コア)に突き立てます。エヴァンゲリオン初号機の活動限界(内部電源の終了)が直ぐそこまで来ていましたが、最後は活動停止を迎えるとほぼ同時にシャムシエルを沈黙へと至らせていました。

第4使徒シャムシエルを倒した後、エントリープラグ内では碇シンジがすすり泣いていました。そして、鈴原トウジはただその姿を見ているだけでした。

3日後

相田ケンスケと鈴原トウジは学校に来ていましたが、碇シンジは第4使徒シャムシエルとの戦闘後、3日間、学校を休んでいました。

鈴原トウジは碇シンジが休んでいる事、碇シンジの置かれている状況も知らずに殴ってしまった事を気にしているようでした。

その後、碇シンジの電話番号が書かれた紙を相田ケンスケから受け取った鈴原トウジは学校内にある電話から碇シンジへと電話を掛けていました。

第参話「鳴らない、電話」の終わりに

乗りたく無いものに乗って恐ろしい思いをして街を守った碇シンジ。第弐話「見知らぬ、天井」の終わりでは葛城ミサトが「あなたは人に褒められる立派な事をしたのよ」と言っていましたが、この第参話「鳴らない、電話」では人に褒められるどころか理不尽な理由で殴られていました。これで「人に殴られてまでどうして乗らなきゃならないんだ」と言い出すかと思ったのですが...第4使徒シャムシエルの襲来時には大人しくエヴァンゲリオン初号機に乗っていたようです。ここは「嫌々な素振り」を見せるか、「乗らない」と言い出しても可笑しく無い場面だったのでは無いかと思います。あの碇シンジが他人に殴られてまで良く素直にエヴァンゲリオン初号機に乗り込んだものだと思いました。

(「嫌々な素振り」は、第4使徒シャムシエル戦の後、次の第四話「雨、逃げ出した後」で、早速、見せるのですが、これは碇シンジにしては一段階遅いように感じました。碇シンジであれば第4使徒シャムシエル戦の前にそれを見せても不思議では無かったように思います。赤木リツコは「人の言う事には大人しく従う、それがあの子の処世術じゃないの」と言っていましたが、碇シンジの場合はこの態度は嫌になれば直ぐに止めて放棄してしまいますので。)

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